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「金融×サービス×事業」の新領域へ。「リース」という枠を超えた新たな企業を目指す
東京センチュリー株式会社
代表取締役社長 浅田 俊一

付加価値の高いサービス提供を続け
総合ファイナンス・サービス企業へ

銀行、保険、証券など金融を取り巻く業界の中でも、比較的新しい事業分野として位置づけられているのがリースだ。誕生から約50年を経て、現在では多くの企業が自社の戦略にリースを活用するまでに至っている。事業が社会に浸透するとともに大きな成長を続けているのが東京センチュリーリース株式会社だ。同社は今年10月1日、東京センチュリー株式会社に商号変更する。
「当社はリース事業を中心に付加価値の高いサービスや、ファイナンスを提供しています。高い専門性と独自性を発揮する『金融・サービス企業』として、幅広い事業展開を目指していこうという考えから新商号に改めることを決断しました」(浅田氏)
同社はセンチュリー・リーシング・システム株式会社と東京リース株式会社の合併により2009年4月に発足。以来、総合ファイナンス・サービス企業として幅広い領域に事業を拡大してきた。今回の改称は今後の事業展開を見据えた新たなステップと位置づけられる。

航空機や社会インフラ設備など
専門性の高い分野の事業を強化

同社がリース事業で取り扱う分野は幅広い。
「情報通信機器、建設機械、工場内の設備など従来からある分野に加えて、自動車や、航空機、船舶、環境・エネルギー関連などの専門性の高い分野の強化を図っています」(浅田氏)航空機は同社が力を入れている分野のひとつだ。航空会社が自社で保有しているものと考えがちだが、実際には4割弱がリースを活用しているという。
「現在、世界では約2万機の航空機が稼働しています。そのうち約38%はリースです。1機あたり数百億円という機体を航空会社がすべて取得するには莫大な費用がかかり、大きな負担になってしまいます。資金面だけでなく運航予定年数に合わせた期間設定とその後の機体処分などを考えて、柔軟性の高いリースが選ばれる傾向が高まっているのです」(浅田氏)
今後はアジア圏の経済成長などにより航空事業への期待が高まり、20年後には世界で稼働する航空機が2倍の約4万機に増えると考えられている。同社によるとそのリース比率は約50
%にまで達する見込まれている。航空会社はビジネスパートナーとしてリース会社を活用することで本業に集中できる。さらに大きな負担を強いられることなく設備投資を推し進め、成長に向けて事業を拡大することができる。一般的に約25年と言われる航空機はリユースの市場もさらに活性化し、リースビジネスとしても大きな成長が期待される分野と言える。
また社会インフラを担う設備にもリースが活用されている。自治体が事業者となって太陽光発電を手がける例も多く、群馬県太田市の「おおた太陽光発電所」は市が同社とパートナー企業に発電所建設や運営を委託。2012年7月に施行されたFIT(電力固定価格買取制度)の国内第1号案件として稼動を開始している。同社の事業は国内外の社会整備から経済発展にまで、幅広く貢献している。

自由な事業領域を活かし
自らの可能性を広げていく

同社はリース会社でありながらも、リース業を超える企業へと飛躍を図っている。今回の社名改称はその決意の表れでもある。
「リースという言葉が持つ金融という印象で、事業領域が限定されるイメージを取り払いたいという思いを込めています。当社としては企業の設備投資をサポートするだけではなく、お客さまが本業に注力する、もしくは新たな事業に挑戦する際にサポートできることが重要だと考えています。さらには、ビジネスパートナーとして事業そのものにも参画し、協業で推進していきたいと考えています」(浅田氏)
同社は、2012年に京セラと共同で設立した子会社「京セラTCLソーラー合同会社」を通じ、自ら発電事業者として既に国内45カ所の発電所を稼動させている。現在、千葉県の山倉ダムに国内最大級となる水上メガソーラー発電所を建設中であり、事業を着実に拡大している。 「リース業は他の業種と異なり銀行傘下の企業も参入可能ですが、当社の場合は、事業領域の規制に縛られず金融以外の事業も自由に展開できる強みがあります」(浅田氏)
同社は国内だけで約2万5千社の顧客を有する。製造業を中心とした国内有力企業との信頼関係をもとに、さらに質の高いサービスや機能を提供していく考えだ。
「そのためには事業を支える優秀な人材が必要です。今後、当社の事業分野はさらに大きく広がります。また、各業界の有力企業にパートナーと認められるには、その分野における高い専門性も必要です。まずは自分たちのレベルを上げることです。法的な知識や専門知識から外国語まで、多彩な社内研修プログラムを駆使し、人材を育成する考えです」(浅田氏)
同社は自由な事業領域を活かしながら自らの可能性を広げていく。これを支えるのが同社の見据える正しい方向性と優れた人材だ。未来の社会を築き、経済発展に大きく貢献しながら、その使命を果たしていくことだろう。

※「賢者の選択」より転載

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