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女性の活躍を原動力に躍進を続ける
LED照明のリーディングカンパニー
大光電機株式会社
代表取締役社長 前芝 辰二

「三笑三栄」の社是を掲げる 照明器具の専業メーカー

店舗や施設、住宅など、あらゆるシーンに応じて、さまざまなあかりが求められる。その照明は電球や蛍光灯からLEDへと大きな進化を遂げてきた。あかりの未来を見据えて、早くからLEDの研究・開発に取り組み、LEDのリーディングカンパニーとして業界を代表する企業へと成長を続けているのが大光電機株式会社だ。
「当社は1926年に大光電機製作所として創設し、1948年に現在の大光電機株式会社を設立しました。以来、一貫して照明器具の専業メーカーの道を歩み続け、照明のデザインから製造、販売に至るまで自社で事業展開しています」(前芝氏)
同社が社是に掲げるのは「三笑三栄」だ。 「この言葉には、当社に関わる社員、株主、取引先(お客様、仕入先様)といった、すべての存在が共存、共栄することを希求し、合わせて広く社会に貢献したいという思いが込められています。近江商人の理念として知られる『三方良し』にも通じる考えです。当社はその実現を目指すために、『競と和』の思想や行動をもって、あかり・環境事業を推進することを経営
理念に掲げています」(前芝氏)
「競」の文字には、競い合うのではなく、総力を挙げて高い成果を作り出そうという成果主義の考えが込められている。

LED照明の研究開発に注力し
ヒット商品を次々に生み出す

照明の光源は小型化、省電力化、高寿命化が図れるLEDへと急速にシフトしている。同社は照明光源としての高い性能を満たすLEDを実現するために、約12〜13年前の黎明期からLED照明の研究開発に取り組み続けてきた。高度な技術を生かした製品をいち早く創出し、ヒット商品を生んでいる。
「LEDが普及し始め、間接照明の人気が高まってきた4年ほど前、当社のライティングデザイン部門である『TACT』の発案で開発したのが『まくちゃん』です。一般的な間接照明は、設置する際に工事が必要になりますが、設置するだけで簡単に間接照明の光を作ることができます。器具と幕板を一体化することで、器具を見せずに間接照明の光だけを見せられるのです」(前芝氏)
下駄箱などの上に「まくちゃん」を置いて電源を入れると、やわらかな間接照明が灯る。明るさを落としていくと色温度も変化し、白い光が温かなオレンジ色に変わる温調機能を搭載。時間帯や好みに応じた美しい照明空間を手軽につくりあげることができる。間接照明は手元や物の影ができにくく、光源が直接目に入らないため、まぶしさを感じることが少ない。高齢者にとってもやさしい照明だという。
「新製品の『よくばりダウン』は、電球色(2700K)、昼白色(5000K)に加え、新たに温白色(3500K)の3種の色温度を簡単に切替えられる照明です。壁スイッチのオン/オフで切り替わるプルレススイッチで、気分やシチュエーションにあわせて、気軽に照明の模様替えができることからヒットの兆しを見せています」(前芝氏)
店舗や施設向けには、色や質感、透明感までも表現できる次世代のLED光源「Quality plus Q+」を開発。白色表現だけでなく、商品や空間の魅力を美しく照らすことを実現した。その性能は高く評価され、すぐれた照明環境が求められる美術館でも採用されている。

出産後の職場復帰率100%
女性従業員の活躍する職場に

同社の事業を支えているのは優秀な人材だ。なかでも、女性従業員の活躍が特徴的だ。
「当社は一時期、業績悪化からやむを得ずリストラを行ったことがあります。しかし、女性の細やかさや気配りは企業に大切だと認識し、パートナースタッフとして女性従業員を増やしました。その後、事業の好転に従って、少しずつ時給をアップし、ボーナスや退職金も支給するなど、社員との格差を少なくしました。現在は出産・育児休暇なども正社員と同様で、取得者も増加しています」(前芝氏)
現在は待遇面での格差がほぼ解消され、社員への登用も積極的に推進している。この結果、全社員820人のうち女性は335名と、40%以上を女性が占めるまでに至った。管理職や係長・チーフ以上の女性の割合は全体の20%に迫る勢いだ。
「当社は女性が安心して長く働くことのできる企業を目指しており、2016年には出産後の職場復帰率100%を達成しました。今後も女性や若い男性社員に優しい企業でありたいと考えています」(前
芝氏)
働きやすい職場環境の実現も作用し、このところ同社の業績は創業以来の売上を毎年更新しているという。自ら切り拓いていく業界のリーダーとしてLED照明の発展とともに、同社の未来も明るく照らされている。

※「賢者の選択」より転載

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